1990年以降、北京とチベットのラサの戒厳令解除(北京=90年1月、ラサ=同年5月)、反体制物理学者・方励之夫妻の出国黙認(同年6月)などの譲歩を示しました。
このことで、日本の円借款凍結解除、EC(欧州共同体)の制裁解除など西側との関係改善に中国は一定の成果を収めてきたのです。
また、対米関係だけに絞ってみても、貿易不均衡問題では大型の対米買い付けミッションを派遣し、知的所有権保護の問題でも著作権法を制定するなどの具体的な譲歩をしています。
しかし、米中間に横たわる溝は依然深いのが現実です。
天安門事件で180度変わったアメリカ議会などの対中世論。
そして中国側の強い対米警戒姿勢を見ると、中国が天安門事件後の外交的孤立からの脱却をめざす最後の仕上げとして狙っている対米関係の修復・改善は、ギクシャクしたものにならざるをえないのが実情です。
それに比べて、天安門事件後の中国外交が成果をあげたのはアジアなど周辺国との関係改善でしょう。
スペースコレクション総研によると、インドネシア(1990年8月)、シンガポール(同年10月)との国交正常化、韓国.台湾との交流拡大などです。
これらアジアの周辺国は、「民主化弾圧」「人権」などの問題で中国当局を非難することなく経済交流の拡大に応じています。